子宮体がん手術を行うと、その後身体には影響があるのでしょうか。考えられる影響を幾つかまとめました。
卵巣機能が失われることにより、女性ホルモンが減少することで、骨密度が低くなる可能性があります。定期的に骨密度測定を行い、骨粗しょう症にならないように注意が必要です。
また、ホルモンバランスが乱れることにより肥満リスクも高くなるので、日々バランスの良い食事を心がけましょう。
治療の基本方針は子宮の摘出のため、性生活への不安を感じる人が少なくありません。治療の影響によっては膣からの分泌物が少なくなったり、性交障害が起こる
可能性があります。少しでも性生活の不安や負担を軽減するために、パートナーと日々コミュニケーションを積み重ねることが大切です。パートナーに相談しづらい場合には、一人で悩まないで、医師や看護師に相談してみましょう。
手術をした範囲によっては、尿の排泄を調整する神経が傷ついてしまったり、上手く働かなくなってしまう可能性があります。
尿意を感じずらくなった、尿漏れするようになったという症状は、手術が影響していることもあるので、臆さず医師に相談してみましょう。
排尿障害同様に、手術によって子宮の周辺臓器が傷ついた場合には、排便を促す機能が低下する可能性があります。食物繊維の多い食事を心がけてみたり、必要であれば軽い下剤を処方してもらいましょう。
女性ホルモンの乱れは、更年期障害のような症状をもたらします。ほてりや食欲不振、だるさやイライラといった様々な症状のほかに、不眠や高脂血症などの症状が現れることがあります。
辛いときには無理をせず、ストレッチをして血行を良くしたり、趣味やリラックスの時間をつくって気分転換をしてみましょう。
また、術後卵巣欠落症状も、更年期障害と似たような症状が起こります。術後卵巣欠落症状は閉経の前に両側の卵巣を摘出した際、体内のエストロゲン(女性ホルモン)が急激に減少することにより発生します。この術後卵巣欠落症状が引き起こす主な症状は、以下の通りです。
術後に起こる症状に対応するためにも、経過観察を行うことが必要です。手術後の経過観察は、再発の早期発見や合併症の管理に欠かせません。子宮体がんの再発は治療後5年以上経過してからも起こる可能性があるため、長期的なフォローアップが推奨されます。
経過観察の頻度は、がんの進行度や治療内容により異なりますが、以下のスケジュールが一般的です。
経過観察時には、以下のような検査が主に行われます。
再発が疑われる場合には、より詳細な画像検査(PET-CTなど)を実施することがあります。
術後の体調管理では、卵巣欠落症状や再発リスクを考慮しながら、生活習慣を整えることが重要です。以下のような内容を参考にしてみてはいかがでしょうか。
子宮体がん手術後は、思いのほか身体に大きな負担が掛かっている状態です。メスを入れる範囲を抑えた「ロボット支援手術」は、傷や痛みを少なくできるため、入院期間の短縮や身体の回復を早められる可能性があります。まずは医師に相談し、自身の症状に適した治療法を選択しましょう。