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子宮頸がんの初期症状およびステージごとの症状

子宮頸がんの初期症状とは

子宮頸がんとは、子宮の入り口付近にある子宮頸部に発生するがんのこと。ヒトパピローマウイルス(HPV)への感染が原因で発生することが分かっており、婦人科検診などで比較的発見されやすいのが特徴です。

HPVは主に性交渉によって感染しますが、その多くは体の免疫によって自然に消えると言われています。しかし、感染が長期にわたると子宮頸部の細胞に異常が発生。この、がんになる前の段階を「異形成」と呼びます。

異形成は子宮頸がんのごく初期の状態で、出血・痛み・おりものの増加といった目立った症状が見られません。しかし、症状が進行すると生理中以外の出血、おりものの色や粘度の変化、下腹部や腰部の痛みといった症状が現れることがあります。気になる症状がある場合は、早めの検査で早期発見につなげましょう。

子宮頸がんのステージごとの病状

子宮頸がんをはじめとするがんの進行度は、病期(ステージ)で分類されます。子宮頸がんの場合、0期〜Ⅳ期で症状を分けるのが特徴です。

子宮頸部上皮内腫瘍、子宮頸がん前がん病変(0期)

子宮頸がんの前段階で、子宮頸がん前がん病変、子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)とも呼ばれます。先に述べた、子宮頸がんの初期症状の状態がこれに該当。以前はこの時期の状態を0期と呼んでいましたが、現在は子宮頸部上皮内腫瘍と呼ばれることが多くなっています。自覚症状に乏しく、子宮頸がん検診でなければ発見できないと考えて良いでしょう。

Ⅰ期

子宮頸がんのⅠ期は、がんが子宮頸部に限局している状態です。この段階で発見できれば、高い確率で完治を目指せると言われています。

Ⅰ期の子宮頸がんはさらに2つに分類され、肉眼で見えないがんをⅠA期、肉眼で見えるがんをⅠB期と呼びます。

浸潤の深さが3㎜以内のⅠA1期で選択される治療は子宮頸部円錐切除単純子宮全摘術、浸潤が3~5mmのⅠA2期では広汎子宮全摘出術・リンパ節廓清術を選択。病理所見によっては、術後に化学療法・放射線治療が行われます。

Ⅱ期

Ⅱ期の子宮頸がんは、子宮頸部を超えてがん細胞が広がりつつある状態。Ⅱ期も2つに分類され、膣壁にがん細胞が浸潤しているが子宮傍組織への浸潤が見られないものをⅡA期、子宮傍組織まで浸潤しているものがⅡB期となります。

Ⅱ期では、子宮の周囲を広範囲に切除する広汎子宮全摘出による治療が基本。病巣の大きさが4cm以内のⅡA1期であれば、抗がん剤治療と放射線治療を組み合わせた同時化学放射線療法を選択することもできます。

III期

子宮頸がんのIII期は、がん細胞が骨盤壁にまで広がっている状態。膣壁の下方部分1/3まで達しているが骨盤壁まで子宮傍組織浸潤が見られないものをⅢA期、骨盤壁まで子宮傍組織浸潤が進んでいるものをⅢB期と呼びます。

III期に入ると、子宮頸がんは手術を行うことができません。そのため、抗がん剤による化学療法と放射線治療を同時に行う同時化学放射線療法がメインの治療法となります。

Ⅳ期

子宮頸がんのⅣ期は、小骨盤腔を超えてがん細胞が広がっている、もしくは膀胱・直腸粘膜への浸潤が見られる状態です。膀胱・直腸粘膜への浸潤があるものをIVA期、小骨盤腔を超えて広がっている状態をIVB期と呼びます。

ⅣA期の場合は根治を目的とした同時化学放射線療法が選択されますが、IVB期では症状の緩和を目的とした化学療法が用いられます。

ステージによって異なる子宮頸がんの治療

子宮頸がんの病期の紹介と共に治療法もご紹介してきましたが、初期症状である子宮頸部上皮内腫瘍~Ⅱ期、Ⅲ期以降では考えるべき治療法が異なります。

子宮頸部上皮内腫瘍~Ⅱ期では手術による治療が第一選択となり、病理検査のデータに基づいて、再発予防の化学療法・放射線治療を追加します。

Ⅲ期以降は手術の適応がなくなり、主な選択は化学療法・放射線治療となります。この2つを併用することで、根治の可能性を高めていくという形です。

どちらの治療方法も、医療の発達によって治療精度が向上、副作用の軽減も期待できるようになっています。とくに放射線治療では、病巣のみに集中して照射できるトモセラピーも選択肢のひとつとなるため、Ⅲ期以降でもあきらめずに検討してみてください。

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