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免疫療法

免疫療法とは、体に備わった免疫の力を利用する治療法。人体の免疫には白血球をはじめとする免疫細胞が関与していますが、そのうちのひとつであるT細胞は、がん細胞を攻撃する性質を持っています。免疫療法はこのT細胞を活性化し、がん細胞を強力に攻撃することで治療効果の向上を目指すものとなります。

現在、効果が証明されている免疫療法は「免疫チェックポイント阻害薬」と「その他の免疫療法」の2つです。免疫チェックポイント阻害薬は、がん細胞がT細胞に対して出す「異物を攻撃するな」という命令を阻害する薬剤。免疫にブレーキがかかるのを防ぎ、がん細胞を攻撃する力をキープします。

その他の免疫療法として挙げられるのは、「エフェクターT細胞療法」。これは、患者自身のT細胞を取り出し、がん細胞を見分ける遺伝子を組み込んでから体内へ戻す方法です。T細胞の攻撃力が高まり、子宮がんをはじめとする、がん細胞の強力な排除が期待できるようになります。

他の治療方法と比較した際のメリット

免疫療法は、手術・化学療法・放射線治療と並ぶ第4のがん治療と言われています。手術・化学療法・放射線治療は、どれも外部からの力を使って治療を行いますが、免疫療法は人体が本来持っている免疫力を用いるのが特徴。副作用のリスクが少なく、日常生活への影響もほとんど見られないのがメリットです。

子宮がんの免疫療法のデメリット・副作用

免疫チェックポイント阻害薬はどの患者にも有効というわけではなく、効果が見られるのは全体の2割程度です。子宮がんでもその他のがんでも、その傾向は変わらないとのことです。(参照:がんプラス https://cancer.qlife.jp/series/as005/article7810.html

脱毛・吐き気・痛みといった副作用が少ないとされる免疫療法ですが、まったく副作用が起きないわけではありません。副作用は個人差が大きく、治療後すぐに見られることもあれば、治療完了から数週間~数ヶ月後に見られるケースもあります。

また、先に述べた免疫チェックポイント阻害薬は保険適用となりますが、自由診療で受けられる免疫療法も数多くあります。自由診療の免疫療法については効果や安全性が証明されていないものもあり、高額な費用がかかります。

治療の流れ、回数、期間など

免疫療法の種類によって治療の流れは異なりますが、基本的には医療機関にて点滴・注射の投与を受けることになります。点滴であれば、1回につき1時間程度で終わるケースが一般的。回数・期間も治療法や症状などによって違ってきますが、1~4週間に1回のペースで治療を進めることが多いようです。

対応しているがんのステージ

免疫療法は全身治療となるため、体中に広がってしまった転移がん・再発がんにも対応できます。また、手術などの標準治療を受けたあとの再発予防にも効果を発揮すると考えられています。

放射線治療を受けた方の体験談

不正性器出血で婦人科を受診し、検査の結果子宮体がんと診断。子宮全摘出手術と卵巣・卵管切除術を行い、経過観察をしていました。その後、CT検査で子宮体がんの膜播種があると診断され、メドロキシプロゲステロンを用いたホルモン療法を始めました。

免疫療法を受けようと医療機関を受診したのは、その翌年のことです。免疫細胞の状態や、がん細胞の特徴などを検査し、もっとも適している免疫療法を選択。最初に6回治療を受け、その後も3ヶ月ごとに治療を続けています。体調の変化もなく、日常生活への影響は見られません。

参照元:瀬田クリニック東京公式HP(https://www.j-immunother.com/case/case020/

効果が認められている免疫療法もありますが、効果が認められていない免疫療法も数多くあります。なかには安全性が確認されていない治療法もあるため、しっかりと情報を集めたうえで慎重な判断を心がけましょう。

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