自治体の公費や職場での検診、人間ドックなどで受けられる子宮頸がん検診。子宮頸がん検診をはじめて受ける方に向けて、検査前に気をつけるべきことや準備について解説します。
子宮頸がんの検査当日には事前の問診があり、受診前までに問診票へ記入する必要があります。問診では直近の月経開始日や月経周期を問われるので、答えられるよう記録を整理しておきましょう。
問診票は、事前に送られてきた用紙に記入して持参する場合と当日受付を済ませてから記入する場合など、記入を求められるタイミングは医療機関によってそれぞれです。どの医療機関でも月経については必ず聞かれるので、記入できるよう確認しておいてください。
子宮頸がんの検査日は、なるべく生理期間と重ならないように予約しましょう。生理の血液によって病変が分かりにくくなる場合があるためです。必ずしも受診できないわけではありませんが、生理中はなるべく避けることが望ましいとされてています。
より正確な検査結果を得るために、医療機関によっては予約変更を求める場合があります。
急な生理など、検査当日に生理日と重なってしまった場合は受診前に医療機関へ連絡し、受診可能かどうかを問い合わせてから足を運ぶようにしてください。
性交渉によって出血が起こると、生理の時と同じように血液で病変が分かりにくくなる場合があります。検査前日や当日の性交渉は避けましょう。検査後の出血を軽減するために、検査から数日間の性行為も控えることが望ましいとされています。
また、血行が良くなって血が止まりにくくなる可能性があるため、検査前後の激しい運動や飲酒もなるべく避けるようにしてください。
子宮頸がん検査では、子宮頚部の細胞を採取して顕微鏡で調べる細胞診が行われます。
検査前に膣内を洗浄してしまうと、検査で採取する細胞が洗い流されて正しい結果が得られなくなる可能性があります。検査前日から当日にかけて、膣内洗浄やトイレのビデ使用は控えるようにしましょう。
これまでに婦人科検診を受けたことがある方は、前回の検査データを持参することをおすすめします。自分の体の状態や経過を知ってもらうとともに、これからの検査や治療に役立つためです。
また、当日は健康保険証か保険証と連携したマイナンバーカードを持参しましょう。子宮がん検診は病気の診察や治療ではないため、基本的に健康保険の適用ではありません。しかし、検査の過程や症状に応じて治療が行われる場合があるため、念のために保険証を持っておくと安心です。
内診や検査では、内診台に上がって子宮や卵巣の状態をチェックします。医療機関によっては検査着に着替える必要があるため、当日は着替えやすい服装を選ぶようにしてください。
着脱しやすいゆったりとしたパンツや、スカートであればワンピースではなくセパレートのスカートにしましょう。
子宮頸がん検査では、膣に検査器具を挿入する際に軽い出血が起こる場合があります。検査後、数時間は出血していることがありナプキンが必要です。多くの医療機関では検査を受けた方のためにナプキンが備えられていますが、場合によっては血液量が多く、時間が経っても気になることがあります。
長時間の外出や検査後に予定を控えている方は、自分でも余分にナプキンを持っておくと安心です。
はじめて子宮頸がん検診を受ける方の多くが緊張するものですが、検査時はなるべくリラックスするよう心がけましょう。
緊張していると子宮頚部の筋肉に力が入り、細胞採取に時間がかかることがあります。深呼吸する、音楽を聴くなど、なるべくリラックスして待ち時間を過ごすことで短時間でスムーズな検査につながります。
子宮頸がん検査では細胞を採取する際に刺激が加わるため、検査直後に軽い出血が起こります。このとき、必ずナプキンを当てて出血量を確認しましょう。
ほとんどの場合、出血は少量で数時間から数日で治りますが、出血が続く、または量が多い場合には他の異常の可能性があります。出血が長引く、または量が多い場合は、速やかに医療機関に相談してください。