子宮体がんの発生率や、発症する原因について調べています。
国立がん研究センター「最新がん統計(2020年07月06日)※」によると、子宮体がんの罹患リスクは2.0%(51人に1人)であることがわかっています。子宮頸がんは若い頃から発生する確率が高いことに対し、子宮体がんは、年齢が上がるとともに発症リスクが高まります。
子宮体がんの場合、40代後半から50代、さらには60代にかけて発症リスクが高まる傾向にあります。理由としては、卵巣から分泌される2つの女性ホルモン「エストロゲン」と「プロゲステロン」が関係しており、閉経後にこれらのホルモンのバランスが崩れやすいため、リスクが高まるとされています。
※最新がん統計(https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html)
エストロゲンによる刺激が長期間継続されることで発症する場合と、エストロゲンが関係ない2つのパターンに分けられます。子宮体がんの発生原因の約8割は、前者のエストロゲンの過剰分泌による遺伝子異常とされています。
エストロゲンが関係している場合、肥満など日頃の生活習慣による悪影響や、出産経験がないことや、閉経が遅いことが挙げられます。月経期間が長くなるほど、エストロゲンが分泌されるため、必然的に子宮体がんの可能性が高くなってしまうのです。
このほか、乳がん治療に用いられるタモキシフェンや、更年期障害治療で用いられるエストロゲンを単独補充する薬は子宮体がんの発症確率を高める可能性があります。しかしこれらは黄体ホルモンを併用することで、発症確率を抑えることが可能です。
もしくは、遺伝性腫瘍の可能性もあります。血縁者に過去糖尿病や大腸がんの罹患歴や、子宮体がんの罹患歴がある場合は注意が必要です。遺伝子検査などを通して、罹患リスクを事前に把握し、日々の食生活などに注意しておく必要があります。
さらに近年食生活の欧米化が進んだことから、年々罹患率は高くなっており、日頃の生活習慣にも十分注意しておく必要があります。
子宮体がんを早期発見するためには、定期的な健診が大切です。知見が広く、実績も多い医師の元で診察を受けることで、小さな可能性も見逃さずに済むことでしょう。
早期発見ができれば、完治できる可能性も高くなることから、日頃から病院での診療を心がけておくことが大切です。