がんカルテ 東京の病院に在籍する子宮体がん手術の医師 » 子宮がんの主な治療方法

子宮がんの主な治療方法

子宮体がんの手術について、どの方法を選ぶかは医師次第です。医師との関係性をしっかり構築し、納得いく治療法を選びましょう。

ステージによって異なる子宮がんの手術内容

外科手術

手術支援ロボットda Vinci(ダヴィンチ)を用いたロボット支援手術です。

ロボット支援手術では、医師はハイビジョンの3D画像を確認しながら、mm単位の高密な治療を行っていきます。3Dの画像によって医師から見える画面は開腹手術同様の視認性に対し、ダヴィンチを通して患者の体内では細かな動作が実施されているのです。

また、空気(二酸化炭素)によってお腹を膨らませながら治療を行うことで、止血を行いながら治療を実施できます。開腹手術と比較し出血量は約1/20、入院期間は1/4となる期待の手術方法です。

子宮がん治療方法
「ロボット支援手術」とは

放射線治療

放射線治療とは、がん病巣に対して放射線(X線、ガンマ線など)を照射し、がん細胞内のDNAを損傷・死滅させる治療法。治癒を目的とした根治治療、手術前にがんを小さくする・手術後の再発防止に用いる術前・術後治療、がんによる症状(痛みなど)をやわらげる緩和治療として使用されます。

放射線治療には、体の表面から当てる外部照射と、膣から放射線を当てる膣内照射があります。なかでも外部照射では、がん病巣のみに放射線を集中照射できるIMRT(強度変調放射線治療)を導入する医療施設が増加。その専用機器である、トモセラピーについて詳しくご紹介していきます。

子宮がん治療方法
「放射線治療」とは

抗がん剤治療(化学療法)

抗がん剤治療(化学療法)とは、体内に広がるがん細胞の増殖を抑える薬剤を使った治療法。子宮がん治療では手術や放射線治療と併用するケースが多く、手術ですべてのがんを除去できなかった場合、術後の再発防止として用いられています。

点滴や内服で治療を行うことができ、通院でも受けられる治療法ですが、気になるのは副作用をはじめとするデメリット。どのような副作用が見られるのか、治療の回数や期間はどれくらいなのかといった情報をまとめていますので、目を通しておきましょう。

子宮がん治療方法
「抗がん剤治療(化学療法)」とは

免疫療法

免疫療法とは、人体に備わった免疫機能を高めることでがんと戦う治療法。これまで、手術・抗がん剤治療・放射線治療ががんの3大治療法とされてきましたが、免疫療法はこれに続く第4の治療として注目されています。

現在、効果が証明されている免疫療法は「免疫チェックポイント阻害薬」と「エフェクターT細胞療法」の2種類。それぞれどのような効果が期待できる治療法なのか、その概要やメリット、治療の流れなどをご紹介します。

子宮がん治療方法
「免疫療法」とは

子宮体がん手術の体験談

手術は、子宮だけでなく、卵巣やリンパ節も取ってしまうと聞き、悪い部分は残さず取ってもらえるのだと納得しました。12月なのに手術室は冷房中のように寒く、「風邪を引かないかしら」などと心配しましたが、そのまま眠ってしまったようです。(中略)手術後、腰と背中の痛みも消えました。がんで膨らんでいた子宮が周囲の神経を圧迫していたからに違いありません。また、入院中の看護師さんや同室の仲間の優しさは生涯忘れることはないと思います。

※引用元:AMDD(https://www.amdd.jp/p_voice/essay02_06_2.html)

主治医は再発を避けるために、子宮の全摘出手術をすすめた。しかし、原さんとしては納得できない。再発すると決まったわけでもないのに、なぜ子宮を取らなければならないのか。それは、未婚女性にとって「子どもを諦めなさい」という酷な宣告でもあるのだ。(中略)原さんが手術を選ぶことはなかった。(中略)ある日突然、のたうち回るほどの激しい腹痛が原さんを襲う。(中略)病名は「子宮体がん」でステージはⅢC。子宮だけでなく、卵巣や卵管、骨盤内のリンパ節も取らなければならない。(中略)5年前に手術を受けなかったことへの後悔が渦巻き、検診をおろそかにした自分を責めた。(中略)原さんの「不義理」を責めることなく、元の主治医が手術の執刀を申し出てくれたのだ。「がん専門病院からの依頼で、5年前のデータをいただきに行ったら、先生のほうから『僕が原さんを必ず元気にする。一緒にがんばろう』と励ましてくれました

※引用元:がん治療新時代WEB(https://gan-mag.com/human/6004.html

知っておきたい手術後の合併症

排尿のトラブル

子宮がんのステージや手術によっては、排尿障害を起こす可能性があります。ステージⅡの子宮頸部にまで進行している場合には、広汎子宮全摘手術等によって神経が傷つき、一時的に尿意を感じない・感じにくい・尿漏れをするといった排尿トラブルが出現することもあります。しかし症状は徐々に改善し、約1ヵ月ほどで普段の生活に影響のない程度に戻るとされています。

便秘

子宮がんの手術等によって排便を司る神経が傷ついた場合、排便をコントロールしにくくなり、便秘を生じる恐れがあリます。ただし、単純の子宮手術や準広汎子宮全摘手術で起こる可能性は低め。ステージⅡ以上の広汎子宮全摘手術といった、手術範囲が広い場合に便秘の合併症を招く可能性が高くなります。

足がむくむ(リンパ浮腫)

子宮がんの手術では、太ももの足の付け根や骨盤内のリンパ節を除去することがあります。リンパ節にはリンパ液が流れているので、除去することによって下半身のリンパの流れが悪くなります。その結果、足がむくむリンパ浮腫を起こす人が一定割合でみられるのです。

浮腫とは、皮膚の下にリンパ液がたまった状態のことをいいます。足が腫れてしまい、指で押すと皮膚にへこみが残るようになることもあります。マッサージや弾性ストッキングの着用をするなどしてケアを行いますが、症状が重くなる前に医師に相談してください。

更年期障害のような症状

子宮を切除すると、女性ホルモンのバランスが崩れることがよくあります。卵巣の機能が低下するような現象も起き、さまざまな症状が現れる場合があります。例えば、イライラしたり、ほてりや発汗、食欲低下、動悸、肩こり、頭痛、不眠そして高脂血症、骨粗鬆症などといった更年期障害のような症状です。

ホルモンバランスの乱れによる症状出現や発症期間には個人差がありますが、その改善には、心身ともにゆったりと落ち着ける環境づくりが大切です。日常生活を見直し、体を動かして血行をよくする等のケアを心がけましょう。

関連記事一覧