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トモセラピーの費用相場や保険適用について

トモセラピーで子宮がん治療を受けるにあたり、やはり気になるのがその費用。実はトモセラピーには保険診療と自由診療があり、それぞれで費用や適用範囲などが大きくことなります。それぞれの特徴やメリット・デメリットについて解説していますので、ぜひ目を通してみてください。

保険の適用範囲が広がったトモセラピー

トモセラピーで治療を受ける場合、保険診療と自由診療の2つの選択肢があります。

トモセラピーはIMRT(強度変調放射線治療)の専用機器ですが、2010年度の診療報酬改定により、IMRTでの治療はすべての限局性がんで保険適用となりました。限局性がんとは、全身への転移が見られない、転移があっても1つに限局しているがんのこと。固形のがんであれば、どの部位であっても保険適用となります。

ほとんどのがんで保険適用の治療が可能

以前だと、2保険適応で受けられるトモセラピーは前立腺がん・頭頸部腫瘍・中枢神経腫瘍(原発性)のみでしたが、現在はほとんどのがんが治療対象。子宮がん・直腸がん・肺がん・食道がん・すい臓がん・膀胱がん、単発性の骨転移でも治療を受けることができます。また、トモセラピーを利用して手術前にがん病巣を小さくする、抗がん剤治療後にトモセラピーを行うといった、他の治療法との併用もしやすくなりました。

保険適用でのトモセラピーの費用

気になる費用ですが、2保険でトモセラピーを受ける場合は照射1回あたりの自己負担額が約1万1,000円となります。保険適用外の自由診療の場合は、1回あたり約33,000円となるため、トータルでの費用を抑えることが可能です。

30回の照射を受けるとなると、最低でも330,000円の費用が必要となりますが、2保険の場合は高額医療費制度を利用することができます。これは、1ヶ月あたりの医療費が自己負担金額限度額を超えた際に適用されるもので、限度額を超えた費用はあとで払い戻しされます。

全身に転移しているケースでも利用できる自由診療

保険診療のトモセラピーの場合、費用はかなり抑えることができますが、治療できる範囲も限られます。先にも述べましたが、2保険適用で治療を受けられるのは「全身への転移が見られない、転移があっても1つに限局している限局性がん」に限られます。

一方、自由診療とは健康保険が適用されない診療のこと。厚生労働省の承認を受けていない治療や薬剤等を使うと自由診療となり、通常であれば保険で受けられる検査を含めたすべての治療費が自己負担となります。

当然ながら保険診療よりも費用は高額となりますが、2トモセラピーの照射範囲に制限がありません。全身に転移が広がってしまった多発転移でも、がんのステージが進んで保険診療で対処できないと判断された場合であっても、自由診療のトモセラピーであれば治療できるということです。

保険適用と自由診療では照射時間も異なる

保険診療と自由診療のトモセラピーでは、放射線の照射時間も異なります。保険適用の場合は転移のないがんに対する照射であるため、照射時間は2~3分と短時間。しかし、そのぶん回数をこなさなければならなくなり、2短い人で25回5週間、長い人だと40回8週間の治療に毎日通わなければなりません

しかし、2自由診療であれば1回あたり30分~1時間かけての治療も可能。照射する部位の多い、多発転移にもしっかりと対応できます。

子宮がんの場合、ステージⅢ以降はがんが膣や骨盤にまで広がっており、膀胱や直腸粘膜まで達している状態です。保険適用では十分な治療を受けられませんが、精度の高い自由診療での治療を選択すれば、改善できる可能性はゼロではなくなると考えられます。

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