子宮体がんの早期発見と適切な治療には、腫瘍マーカーが重要な役割を果たします。腫瘍マーカーとは何か、子宮体がんの診断、治療、経過観察における腫瘍マーカーの活用方法をご紹介します。
腫瘍マーカーとは、がん細胞が生み出す物質、もしくはがんに対する体の反応で生成される物質を指し、血液検査などで測定されます。
がんの存在や進行状態を把握するための方法として利用される一方、腫瘍マーカーの使用だけでがんと診断するのは難しいものです。
子宮体がんの腫瘍マーカーとして代表的なものは、CA125とHE4が挙げられます。
子宮体がんの初期診断では、腫瘍マーカーの数値変動ががんの存在や進行状況を表すため、血液検査は欠かせません。
特に、治療前の評価や治療計画の策定時には、画像診断や組織診断とともにマーカー検査を行うことで、より正確な診断が可能となります。適切な治療方法の選定や、治療開始時期の判断にも役立ちます。
子宮体がんの手術や化学療法、放射線治療などの治療後は、腫瘍マーカーの数値推移を追うことにより、治療効果を客観的に評価できます。
治療効果が十分であれば数値は低下しますが、数値の上昇が見られる場合は再発リスクが懸念され、追加の検査や治療が必要となることも。
定期的な検査により、異常値の早期発見と迅速な対応が可能になります。
腫瘍マーカーの数値が上昇している場合でも、必ずしもがんの存在を直接示すものではありません。
稀に炎症やその他の良性疾患による影響も考えられるため、検査結果の判断は慎重に行われます。
腫瘍マーカーは子宮体がんの診断、治療効果の確認、再発チェックにおいて有用なツールですが、がんと診断するには他の検査との併用が重要です。
定期検診を受けて医師に小まめに状態を確認してもらうことで、適切な治療方針の決定を行えるでしょう。